僕には母親が居る。いい歳こいた母親が居る。
クソ婆とか冗談で言える相手ではない程のリアル婆だ。とはいえ言う時もあるのだが。
そんな婆がだ。彼氏ができたと、どの面下げて言いやがるんだなことをほざくわけだ。
確かに今はフリーだ。不倫とかの類ではない。だが、お前どういうつもりだと思ってしまうわけだ。
いや、勘違いしないで頂きたい。彼氏を作ることに対してではない。そりゃ~いくつになってもだろう。そんなことは知ったこっちゃない。
そんなことより、その彼氏たる人物の年齢だ。嘘だろだ。今年で20歳とかアホなのかと。現在19歳とかアホなのかと。そう思って当然ではないだろうか違うのか?やんのかコラ?いや、すまない興奮しちゃってテヘ。
というわけで会うわけだ。急展開だ。婆に寄り添うまだ少年のような彼を見て介護という文字以外浮かばないわけだ。
どこで、何がきっかけで、など馴れ初めなど聞きたくもない。ただ1点正気ですか?と聞きたい。お互いにだ。
何がどうしたのか僕は激怒した。貴様!などと珍しく声を上げてしまった。
しかし、本人達にその怒りをぶつけれるほど僕もまだ腐りきってなはいない。久々のサッカー人生を思い起こすかのような強烈なシュートをゴミ箱に叩き込んでやった。
婆を守る王子のように肩を抱く少年介護士モドキを見て愕然とした。なんだこりゃ?まるで母親を奪われて駄々こねてるみたいじゃないかと。
とりあえずだ。とりあえず付き合うというのは良いだろう仕方がない。
ただだ。結婚などは止めてくれ。今流行りの生産性がないとかそういうのじゃない。父親が年下で20歳とかまっぴらごめんだ。そうしたいなら戸籍から抜いてくれ。縁を切ってくれ。お前等などと同類とか無理だ。偏見だろうが実際無理だ。
だが、僕のこの魂の叫びを受け取る気がないようなのだ。アホなのかこいつ等?そもそも少年介護士モドキはこれからの人生なめてんのか?そりゃ遺産があるというならマシだがこの婆になんかあるわけがない。今ですら金を僕にせびってくるクソ婆なわけだ。
世の中舐めてるこんな奴らと縁なんか結んでられない。居られるわけがない。
そんな僕の怒りを知った上で、何故ですか?と凄んでくる少年介護士モドキ。こいつ大丈夫なのか?
恋は盲目。痘痕も靨(あばたもえくぼ)そんな言葉が昔からある。だが、僕からしたら人生舐めてるとしか思えない。
そんな僕の怒りが頂点に達し、再度サッカーシュートを叩き込もうかと体が震えだしたその時、電話が鳴った。僕のスマホだ。
誰だよこんな時に。後でかけなおすわ。そう言葉に発しスマホを切ろうとするが切れない。興奮で手がダメなのか?クソなんだよコレ。いくらやっても無駄なわけだ。
仕方がないので出る。
「はい。もしもし」
「あっ?寝てた?」
(え?)
寝ていた。みたいだ。てことは夢か。すんげー怖えーよ。何なんだよ。つかこの声アレ?
「悪いんだけど3万貸して」
(貴様か婆!!)
怖さもあって珍しく快諾してしまった。あとでネットで入金しとくと伝えると食い気味にありがとねと言われた。
これで、この貸した金を彼氏にとかだったらどうしようかと考えてしまう。本当に夢なんだよな??
真夏に気持ちの悪い話だ。
もしも・・・いや考えるのは止めよう。心と体に悪い。
せっかくの盆休みが台無しだ。しかし何故あんな夢を。そうだ夢占いでも見てみようか。そう思いスマホを見てさらに驚いた。
※出典:開運夢診断 監修:秋山眞人
いやいや残念ながらこれではないわけだ。優しくもにこやかにもありゃしない。殺伐としていたわけだ。つか思い出すだけでも動悸が止まらないくそー。とか言いつつ続きがあるのでと。
※出典:開運夢診断 監修:秋山眞人
ぐはっ・・・。まさしくこれなわけだ。つかいやマジかよ。
※出典:開運夢診断 監修:秋山眞人
何らかの揉め事をもたらす予兆?
平成最後の夏は、僕に容赦なく色んなモノを運んできた。
少し多めに入金しようかな・・・
ですね。