あるbarで、たまたま隣の方と。
他愛もない話からお酒の話に。僕は日本酒が好きだと告げました。
僕個人の統計から、福島県のお酒が好きだと続けました。
もちろん、他の都道府県のお酒も好きな銘柄はあるのですけど、好きな銘柄が多い県が福島になりますねと伝えました。
その男性は、突然笑顔でありがとうございますと、手を出してきました。
少し驚きましたが、僕も手を出し、握手をしました。
その方は、福島出身の方でした。なるほど、と納得しました。
当然福島県の話になりました。必然的に東日本大震災の話になりました。
あれから7年が経過しています。
僕も仕事の関係で関東に居ましたので、震度6強?弱?を体験しました。
今でも忘れられない揺れです。ライフラインの水が途絶えました。幸い電気はすぐ復旧したので、気持ちは保てました。
そんな当時の話をしました。その方は、ただ頷くだけでした。
タバコの話を切り出されました。あの震災の時、ガソリン不足と共に、タバコ不足になったからです。
僕は今はやめているのですが、当時は吸っていたことを告げました。それがきっかけで、当時知り合いにタバコを送ったことを思い出しました。
僕はその話をしました。
昔ネットで知り合った方でした。実際には単に知り合いの人だと伝えました。
主婦の方で、お子さんがいる方でした。
大丈夫ですか?から連絡をとり、タバコ送りますよと食べ物と一緒に送りました。
最初は拒否っていましたが、タバコありますよに負けたのでしょう、住所を教えてもらいました。
宅急便で送りました。僕は自分の住所と名前をデタラメに書きました。信じられない名前で。ありえない漢字で。
届いたという連絡の中で、こんな字の人居るの?と子供に言われたと笑われました。
タバコありがとう。物資もありがとう。これが独身の男の子のチョイスかと面白かったよと、また笑われました。
男の子って、と僕も笑いました。
その後、お互いの状況など連絡をとっていました。子供の体育が外でできない。体育館の中なんだよと。放射能問題の影響を知りました。
少し落ち着いてきた。そんな連絡がありましたので、思い切って会いに行きました。
凄く驚いていました。放射能汚染という風評被害まっただ中でした。僕は見えないんで大丈夫ですと。アホなことを言っていました。
少し遅めのランチをしました。確かイタリアンでした。みんな地元の方々は元気でした。落ち込んでる場合じゃないと、他県から来たという僕のことを知り、僕に向かって言っていました。
少し状況をね。と言われ車を走らせました。仮設住宅や液状化を目の当たりにしました。
ここからは特に被害が凄い場所だから。そう戻るよう言われました。いや、大丈夫ですと答えそうになりましたが、きっとその方も嫌なのだと、なんとなく雰囲気で感じたので戻りました。
帰り際、用意していたギフト券を渡しました。お金じゃないんでと伝えると、いや同じだからと強めに言われました。
決して僕が引かないと悟ったのか、笑顔でありがとうと言ってもらってくれました。正直ほっとしました。
本当はさ、お返ししようと考えてたんだけどさ。でも、何を送っていいのか。どれも放射能の汚染ってなったら・・・。言葉を詰まらせていました。
いや、気にしなくても。そう言い終わる前に、住所デタラメだし。と笑われました。僕も笑いました。
放射能汚染気にしないの?〇〇シーベルトなのに・・・。そんなことを結構真顔で言われました。
僕は言いました。
この俺様がですか?無敵なんですよ。結構真顔で言ってみました。
でしょうね。と笑われました。僕も笑いました。
ではまたと、確か握手をしてお別れしました。
という話をしました。その方は、少し泣いていました。お酒のせいでしょう。
何かアレなので、ではまたと、その方とも握手してお別れしました。
家に帰ってYouTubeを観てました。その当時の状況の動画です。編集されたワンオクのヤツです。
たしか、その主婦の方に会いに行った時も、動画の話をしました。
でも、こう言われました。
私は一切見ていない。見たくない。知りたくもない。と。
当事者はそう思うんだなと、強く残っています。
結局、僕は他人事なんだと思っているのかもしれません。
心理学で悲しい映画や悲しい話で泣くのは他人事だと思っているからだと、だから実は冷たい人なんだと、そんなことを聞いたことがあります。違ったらすみません。
あの当時、東日本大震災の復興ソングとして、ワンオクが歌をリリースしました。
世界中で反響があり、公式に何か国語かで歌詞の訳がされた動画ができていました。
後に、動画編集されたものが溢れました。僕はそれを見て思い出し泣いていました。
大人が泣いている姿に。何もできない無力さに。被害の凄まじさに。
それは他人事と思ってるからなんでしょうか。そう思っているから泣いてしまうのでしょうか。
僕は自分で冷たい人間だとは思っているので、否定しきれないんですが。
観てくれなどとは思ってません。嫌な人だっているでしょうし。ただ、ココは僕のブログ。
僕がこう思ったという記録の為、その動画を貼ってこの駄文を終わります。
もうこんな思いはしたくない
ですね。