僕は猫にナメられている。
と言えば猫好きな方は良いなと思うかもしれないが、ペロペロ的な方ではなく、野良猫カーストの中で底辺にされているということだ。チョコイザイな。
エサなどあげたこともないのにふざけた様にやってくる。一時期は黒猫だけだったが、いつしか茶トラが、そして最近はキジ白？と呼ばれるらしい猫までもが僕をバカにしに来る。バカにされ出してから猫好きな会社の子に聞いて変に知識が増えた。イエイ。
例えばだ。飲んだ帰り道、そう真夜中に歩いていると、暗闇の中から突然ニャーと叫び僕に「うぉおおい！」と叫ばせてから、デッテデーと、大成功と、言わんばかりのドヤ顔で歩いてくる。決まってしっぽをラジコンのアンテナのようにピンピンと立てながら脚の間を八の字走行し去っていく。確実に僕をバカにしている。
都度僕は「何だどした？マジビビるからやめてくれよ。な？」とまぁまぁの声量で話しかけている。そう猫に。ガチで。何度か見知らぬおばちゃんに不審な目で見られたことがある。僕としてはこんな真夜中に歩いているおばちゃんの方が不審なわけなのだが。
最近では僕の家を突き止めたのか、家の近辺に出没する。気にし過ぎなのかもしれないが単に横切る（黒猫のみ）とかだけでも何だかなと感じてしまう。そんなアレありましたよね？黒猫がとかいう。ね？
そして僕個人のみではなく、僕の所有する車に対してもナメ腐っている。普通というか想像つくのはボンネットの上に乗っているってやつだ。夏場でこそあまりないが、何かひんやりするのか、はたまた温かいのか分からないのだけど居るわけだ。しかし、僕の車に対してはさらに上の車の天井に乗っている。決まってキジ白なのだが、確実に僕をバカにしている。
そしてつい先日だ。
台風来る前に買い出しでも行こうと駐車場に行くと、いつものキジ白の野郎が周りをキョロキョロしながら僕の車に近付いて行くのが見えた。僕は何が起きるのかを知りたい願望にかられて、こっそり覗くことにした。
そのキジ白は僕の車の運転席のドアの前に立ち、何度も何度も周りを念入りに確認したかと思うと、突然しなやかに背伸びするように僕の車の運転席側の前輪に、そうタイヤに、心地よさそうに夢中になって爪を研ぎ出した。嘘でしょ！
おいおいと、そこのネコと、ヌコと、貴様誰の車のタイヤに何てことしてくれんだと、お前このままパンクさせたら全力で首根っこ捕まえてニャーニャー言わせんぞワレ！と。奥歯ガタガタ言わしたろかと。肉球これでもかと全力で押し続けたろかと。そう心の中で思ったりするのかな？って言うてもないし思ってもないんかーい！
どやさどやさ
はい。
で、あまりにも爪を研ぎまくってるのでヤバイかなと、そんな思いで近づくと僕に気づいたヌコ。気まずそうにゆっくり研ぐのを止め、何もなかったかのように優雅に歩いて行った。女優かっ！
タイヤには目立った損傷はなかったので良かったが、しかしここまでナメられてるのかと思うと、流石のスマイルシンデレラですら笑えないと思う。ナイスショット！ハイタッチは子供限定！いらねー情報！
本当は最低でも写真を撮って載せたいところなんだけど、ビックリするくらいスマホを構えると逃げられる。動画も写真もそれこそ連射ですらも。売れっ子風俗嬢かっ！いや、売れっ子云々ではないのだろうけども。うーむ。キジ白ではないけども、かろうじて撮れたのはこんな感じだ。
酔っていたのもあるのだけども、動画で撮ったんですけどね。なのに撮りきれないというね。八の字走行後に颯爽と去っていく茶トラ。実際真っ暗だったので、かなり加工してやっと見えるようになりましたよ。ニャンとも←
とにかく、僕は猫に、ネコに、ヌコにナメられている。そんな日々を最近送っている。
ニャンとも
ニャン友？
いや、ニャンでもない。
ニャンだこれ？
夏バテかな
ですね。
