いつでもどこでも。
何かを真剣に行うという場合に、目的というか目標と言うかその目指すモノを達成するために、日々努力というか正にいつでもどこでもソレに対して考えている或いは何かをしているというのは素晴らしい事なわけです。
と言っても、分かっていてもそう簡単にできるものではありません。だからこそソノ素晴らしいことを実践できるというのは、凄いことなのです。凄過ぎることなのです。
そう改めて思ってしまった出来事があったんだす(誤字だす←
時刻は確か23:00頃だった。
僕は家を目指し歩いていた。少し飲み過ぎたかなと考えられるだけマトモな方だった。
そんな僕の前をお世辞にもマトモとは思えない男性が歩いていた。最先端のロボットダンスかと思えるほどカクカクした動きで止まったり動いたりを繰り返していた。きっとマイケルジャクソンが生きて居たなら間違いなくツアーに誘いスリラーをステージで一緒に踊るわけはない。ポゥーの叫びと同時に高速で裏拳されて終わりだ。そんな普通の酔っ払いだった。
片田舎の夜道は中々暗い。そんな暗闇でもはっきりと存在感を出しているショッキングカラーを身に纏ったギャル系のOLらしき2名が前方から歩いてきた。
「うわマジ酔っ払いかよ」
「誰にも送ってもらえないとか人生終わってね?」
片田舎に響き渡る甲高い声。嫌でも話す内容は届いていた。その時だった。
ダン!
大きな音と共に前を歩いていた酔っ払いのマイケル(命名)が後ろに倒れこんだ。
「は?嘘でしょ?看板に当たるとか怖いんですけど」
「志村じゃん。志村のコントのやつじゃん」
酔っ払いをディスるギャルズ。しかし倒れたマイケルは起き上がらない。志村のコントってどんなのだろうと思いながらも大丈夫かと僕は早歩きでマイケルに近づこうと進んだその時だった。
「でもイケメンじゃね?」
(今ソレ?)
散々志村呼ばわりしていたのに、バカにしていたのに、結局顔面偏差値レベルが高いと全てがアイーンなのだ。だっふんだぁなのだ。とは言え、どんな時も、正にいつでもどこでもイケメンハンティングをしていたギャルズの能力であり、努力でもあるわけだ。凄いことなわけだ。
こうしてギャルズはマイケルの看病を始めた。一応僕も大丈夫ですかと声をかけたのだが、マイケルは当然だがそのギャルズには聞こえていないどころか僕の事は見えもしていないようだった。
そんな中学生のいじめのような無視をされた僕は律義にお邪魔しましたと告げその場を離れた。小学生の頃友達の家から帰る時以来の声量でだ。チッと舌打ちのような音が聞こえたのは幻聴だと思う事にしている。
いつでもどこでも。
アンテナを張っているギャルズの成果であり、ある意味勝利かもしれない。かもしれないが、酔って看板に当たって倒れるような相手が正解なのだろうか。当たりという意味では正解なのだろうけども。正にイケメンに限るなのだろうけども。
とは言え、マイケルにも選択の自由はある。ギャルズのどちらかをポゥーするかもしれない、或いはどちらもバッドかも、それこそスリラーかもしれないし、正に今夜はビート・イット(逃げろ)なのかもしれない。ごめん今そこそこどや顔でいる。ちなみにマイケルジャクソンの曲をそんなに知らない←
マイケルがショッキングカラーを身に纏う相手を選ぶのかどうなのか、それが当たりなのかどうなのか、それを確認することもなく僕は家に向って歩きだしていた。
そんな僕の背中の方では、相変わらずキャッキャとギャルズの声は響いていた。
「ヤバっ全然起きねんだけど」
「マジ酒くせーなコイツ」
「つかよく見たらそれほどじゃね?」
「いやお前が言ったんだろ?」
「マジ誰だよお前?って感じ」
「イケメンに謝れだし」
キャッキャキャッキャ
どうやらギャルズは、いつでもどこでもではなく、なんでもかんでもだったらしい。正に雑食。何でも噛んでも的な。
な〜ぁんてな
僕はダジャレのことをいつでもど(略
ですね。