「〇〇を説明してって言われたら何て説明します?」
突然だった。そう会社の女性社員に聞かれたのは・・・
自粛自粛と聞かない日はない。ですよね?ついに緊急事態宣言も出ましたけど、結局は自粛強化って感じですよね?だから当然見かけないなんてことはないわけです。そんな今旬なワード『自粛』
正直書けと言われたら書けないし、書きたくもない。と、思うよ(何なん?
そんなこの時世なんで、自宅で映画をってな発想からの質問が僕に。何気に趣味を映画鑑賞ということに決めた僕としては、中々の質問なわけ。いやマジで。
「おすすめの映画あります?」
正直好みが合うか合わないかがポイントとなるわけで、うかつにおススメできないという思考がマッハで沸き起こる僕としては、何回聞かれても慣れないし、一番苦手な質問なわけ。いやマジで。
とは言え、僕も趣味と決めたのにはそれなりの理由があるわけでして、まぁまぁ観てるわけですよ観まくってたわけですよ。覚えてるかは別として。えぇ。
そんな思い出を海馬から引っ張り出しながらあ~だこ~だと話していた最中に。
「〇〇を説明してって言われたら何て説明します?」
「えっ?」
〇〇の部分が聞き取れなかった。いや、恐らく僕の脳が理解できなかっただけだったと思う。
だって聞かれることないでしょこんなこと。
「右を説明してって言われたら・・・」
右?右ってあの右?右手の右・・・いやそれじゃ説明になってないか。左じゃない方って、じゃあ左の説明が必要になるわけだし・・・うーん、そうだな・・・
「日本人なら箸持つ方とか?」
「あっ・・・」
何かに反応した女性社員を無視し僕は続けた
「あっ左利きも居るか・・・あ~フランス料理でナイフを持つ・・・いや、ナイフが置いてある方・・・かな?」
「それは浮かばなかったです。流石Sさん」
うん?褒めてんの??
この質問のセリフはある映画のセリフらしい。その映画は『舟を編む』原作は三浦しをんの小説ってか三浦しをんなら観ようかなと海馬に叩き込みながら話を続けていた。
その映画は辞書をつくるという目標をベースにしたヒューマンストーリー。まぁ~『風が強く吹いている』からも期待しちゃうヒューマンドラマ。そんな僕のワクワク以上のワクワクを全身で醸し出しながら説明する女性社員(笑)
その映画の中でも凄い表現で右を説明するらしい。それに感動したらしく、さらにその辞書を作る理由としてのセリフがイイと言うわけ。
言葉の意味を知りたいとは、誰かの考えや気持ちを、正確に知りたいということです。それは、人とつながりたいという願望ではないでしょうか。だから私たちは、今を生きている人たちに向けて、辞書を作らなければならない。
くぅううう~
ってことで映画を観ることに。ただ、僕はAmazonプライムしか入っていないのでレンタル料が・・・ってことでアニメにした(笑)実際は、その女性社員が「映画にするのに細かい内容をかなり削ってると思う」という言葉が最大の後押しとなった。
結果は良かったですよ。僕こういうの好きなんですよわりと(笑)まぁ~良く嘘でしょって言われるけどね。人を外見で判断しちゃだめだよねって誰の顔面が殺人鬼やねんって言うてまうすけど~
そんな話はどうでも良くて
結局映画も観たんですけどね(笑)やっぱ話の厚みとしてはアニメかなと。辞書ってものにも興味がわいたのは確かだけど、やっぱ僕は三浦しをんのヒューマンドラマにやられました(笑)
映画とアニメではやはり違いもあって、セリフもどちらにもクルものがあって、ってこの感動を女性社員に伝えねばと僕は急いだ。
その女性社員は『自分の思っていることをうまく伝えれない』そんなことを以前話していた。そんな彼女だからこそこの映画に惹かれ、何かを感じ、何かをしようとしているのではないのだろうか。そんな彼女にアニメの良さを、そしてその中の素敵なセリフを教えたい。伝えたい。心の底から。
僕はLINEをした。たわいもない話から映画の話となり、今がチャンスと切り出してみた。
今一度この『舟を編む』という作品への熱い思いを女性社員に呼び起こしてもらう必要があった。それを思い出した上で、感じた上で、アニメを観た感動を伝えたいと、そう思ったからだ。
女性社員も気持ちを『舟を編む』へ意識してきた。それを確認しすぐさま続けてトークした。
すぐさま返信が来た。
えぇええええ~!!
どえらいカウンターをくらった。映画ないしアニメの・・・いや、三浦しをんをも否定するような言葉だった。
ただ、女性社員をフォローすればこの言葉の後に『ひねくれてるから 笑』とのトークがある。照れも若干あるのだろう。
まぁ、照れゆえの自分の感情をうまく表現できないだけだろう。僕は冷静にアニメの良さを伝えようとトークした。
いくら人間模様が嫌いとはいえ、映画はやはり詰め込み過ぎている感がある。であれば、納得いきやすい時間軸で進んでいく人間模様ならいけないのか?そんな意味での問いだった。
きっと少し考えたのだろう。だが、この後不思議な返信がきた。
えっ?
いや確かに言ったことがある。あるよ間違いなく。ディズニー映画が嫌いというわけではなく、なんかこう実写でもアニメアニメしてもいないあの微妙な感じが苦手なのだ。正味おもちゃがとかいうのも苦手なんだ。当然こう僕は正直に答えた。
女性社員の返信がとまった。こんな無意味な会話をしている場合ではない。あの感動を伝えなくては。
僕は今一度女性社員のテンションを戻すため、アニメ版の辞書を作る理由の名セリフで追撃しようと調べながら打ち込んでいた。その最中に返信がきた。
だが、僕としてはとにかく少しでも早く会話を『舟を編む』の内容に引き戻さなければならないと、返信を見ず一気にセリフを打ち込みトークを送信した。
すると、その画面に予想もしない言葉が残されていた。
うそーーーーーん
話はブレていなかったのだ。女性社員は映画の中で主人公を始め登場した人物達の思いや心の動きなどどうでも良かったのだ。単に言葉への興味、言葉自体の素晴らしさ。そして何より辞書への純粋な思いだったのだ。そう女性社員は辞書というものへのえげつねーほどの愛にも似た興味が出ただけだったのだ。
猛烈に恥ずかしくなった僕は今日一の速さで返信を打ち込んだ。
そんな僕へ向けさらなるトークがぶち込まれた。
ダメ押しトーク!
ものすごくまで言われては仕方がない。僕は冷静を装い『いやいや観るもんじゃないよと』トークを終了させた。
人が同じものを観ても同じ気持ちにならないことは分かっていた。だが、ここまで人の考えや思いを見誤るとは、自分でも驚いてしまった。こんなことは初めてかもしれない。正確にはここまで外れたのは初めてに違いない。
僕は確信した。間違いない・・・
その女性社員大好物です(笑)
自分の考えと違うという感覚ではなく、想像と違うという人に僕は興味も持ってしまう。計り知れないという言葉がピッタリとするそんな相手に。まぁお前の想像力が乏しいだけだろと言われるとアレなんですけど。
とにかく、まだその女性社員の魅力に気づいているのは少ないはずだ。今のうちにもっと仲良くなろうそう僕は誓った。
そのためにもまず、アニメの中で出てきた右という語釈(ごしゃく)を手土産に近づこうと思う。
「明」の「月」のある側
素敵~!!
イケる。イケるはずだ。この言葉であの女性社員の心は揺れ動くはず。
挑まずにはいられないんだよね。何としても女性社員にアニメの良さを知らせたいんだよね。根拠はないけど、きっと今よりも自分の思いを伝えようって思ってくれるような気がするんだよね。勝手にしてるんだよね。
まっ大きなお世話だろうし、しつこいとストーカーとかハラスメントとかになっちゃうかもだしね。
でも・・・なんだよな・・・
えっ?だってさ
負けたくないことに理由っている?
僕の伝えるの戦いはこれからも続く
ブロックされないことを祈りながら
ちなみこの女性社員年下なんですけど・・・
タメ口な時点で負けてますかね(-_-;)
ですね。