未来が見えたんだ…
休日の朝。トイレで汚水を出し切って寝室に戻り、上半身裸になるべくスウエットの上着を脱ぎ捨て、続いてパンイチを目指し履いていたスウエットパンツをロケットの切り離しように高速で床めがけ下ろす。
これから総合格闘技でもやるのかと言わんばかりに鍛え抜かれた肉体を誰に見せつけるわけでもなく体重計に乗る。朝のルーティン。体重、体脂肪、内臓脂肪を確認し素早く脱ぎ去ったものを集め着る。ベットから「どうしたの?」と行きずりの女から問われた時にはもう既に着終わっている。
そんなことを想定して急いで着る。未だに言われたことはないし予定もない。
朝食の準備。タイマーで炊いていた発芽玄米が炊ける音を皮切りに冷蔵庫から納豆、キムチ、シャウエッセン、ブロッコリースプラウト、そして卵を2つ取り出しキッチンを目指す。目指すも何もすぐそこだけど。
「めんどくさいからな」
誰に言うわけでもなく言い訳をして、インスタントのカップみそ汁を引き出しから取り出す。ケトルのスイッチを入れお湯を沸かす。その間に手際よくシャウエッセンにコショウをぶつけながらいたぶるように弱火で焼きを入れ、色目が付いたら端に寄せ油を少し引き卵を頭をかち割るように粉々にしながら中身をぶちまけていく。2個あるから正に目玉焼きだ。
「大人しくしてろよ」
観念しろ的に言い放ち、さらに弱火にして蓋をする。きっとシャウエッセンも目玉焼きも絶望と化しているはずだ。そんなことを思いつつ、炊けた発芽玄米を
「ガタガタうるせぇーな」
軽く舌打ちをしながら無視するかのようにキムチをいったんよそった発芽玄米の上に必要量乗せ冷蔵庫へ戻す。すかさず忘れてねーよと言わんばかりにフライパンの蓋を開け、半熟手前の涙ぐんだ目玉を確認する。泣き叫ぶシャウエッセンをひっくり返し、あらびきの塩コショウで目潰しのごとく、
「ざまーみやがれ」
ハニカミながらカップみそ汁の具とみそを取り出し、丁寧に中身をカップに入れる。ぐつぐつとケトルの
ケトルがエクスタシーをむかえたので乱暴に抱き上げみだらな口からいやらしく熱湯を注ぎ味噌汁を完成させる。ちなみに今日の具は長ネギだ。個人的には7種の野菜が好きだ。でも一番はお前だぜ。
誰もいない空間にウィンクしてそっとカップみそ汁に蓋をした。少しでも冷めるのを遅らせようと姑息な手段を使うそんな人間臭い自分が好きだ。誰も好きだと言ってくれないので遂に自己愛を極めてしまった。何事も極めたモノだけがこの世を生き抜いて行ける。そうだろブラザー?
「お待たせ」
優しく
「気持ちいいだろ?」
すぐさま納豆は赤面しキムチ色に染まっていく。ほどよく混ざったら今度は乱暴にグルグルと回し納豆の意識を飛ばす。
「さあどうぞ」
意識の無いキムチ納豆を発芽弁米の上に乗せ、すかさずフライパンから目玉をさらに乗せる。キムチ納豆の意識が戻る前に黄身のローションでキムチ納豆のカラダを濡らしていく。感じ過ぎて痙攣しているキムチ納豆に安らぎを与えるべく、少し多めにブロッコリースプラウトを上にひいていく。
「用意はいいかい?」
フライパンで踊っていたシャウエッセン達を掴みふかふかのブロッコリースプラウトの上に置いていく。どのシャウエッセンも網タイツを纏ったように表面の皮が引き裂かれている。その状態が僕は好きだ。パリパリした食感が好きなんだ。
「いただきます」
寸前まで冷蔵庫で待機していた梅干しを取り出しひと口頬張る。種はカップみそ汁から外した蓋の上に置く。味噌汁を軽くすすり、シャウエッセンをひと噛み、そしてっていい加減めんどくさい。つか、ここまで読んでくれているのだろうか。正直他人がこんなこと書いていたらマジで気持ち悪い奴に認定してしまう。こいつ狂ってると認定してしまう。つか、認定ってどんだけお前に権限があるんだって話。
とにかくここまでの内容は特に重要ではない。自分でも驚くほど引っ張ってきたと思うくらい不要な内容だ。問題はご飯を食べた後なんだ。
休日と言うこともあって少し遅めの朝食だった。皿洗いも終わって食後のコーヒーを飲んでいた時だった。それは前触れなくやってきた。
腹いてぇー
確実に外の世界を知りたがっている大の大冒険が始まる序章だった。じゃあトイレに行けばいいじゃん。そうアホ面しながらこの記事を読んでいる君達は思っているだろう。冗談だからふくらはぎの毛だけ濃くなる呪いをかけるのはやめて下さい!
そんな話はどうでも良くて
実は宅配の時間指定をしていた。と言っても最もアバウトな午前中というやつだ。時刻は11時10分。あと50分で午前中という枠は終わる。そろそろ来ても良いのだが来る気配を感じない。かと言ってトイレに行った途端来るのではないのかそんな気がしてしょうがない。
どうするどうするんだ俺。刻一刻と大は大冒険させろと暴れ出している。なんなら大脱走すら
なんだいい意味って、そう思いながらトイレに座り大に自由を与えてやった。これでピンポンとか鳴ったらブログに書くしかねーし。そう思った直後嘘のようにインターフォンが鳴った。だから嫌だったんだよこうなるんじゃないかって。ほんのちょっとだぞ、ほんのちょっと我慢していれば…クッソー!正にクソ野郎だよ。
直後だぞ直後。すぐ出れるわけがない。かと言って出なければ不在となってしまう。実は再配達の時間指定をしていたわけで申し訳なくて仕方がない。とは言え、大を放出した直後だぞ。とても歯切れが良かったなどと言えないタイプの大ちゃんだぞ。無駄にちゃん付け呼びしたことで怒りを買ったのか、拭いている時間など許さないと言わんばかりに2回目のインターフォンの催促が響く。
クッソー!正にクソだよ。拭いている暇はないと悟った僕はカワイイ僕のおちりをホットドック化することに決めた。
ホットドッグ!
下ろしていたスウエットを履いた。そうだ、ホットドッグだ。トイレットペーパーをウインナーに、ふっくらパンを僕のおちりに見立てたわけだ。尋常じゃないケツ圧でトイレットペーパーを完璧に挟み込む。いやもう挟み潰す勢いだ。
「ありがとうございました」
何食わぬ顔で配達員から荷物を受け取りトイレに戻った。そうここからだ。ここからが本番だ。僕のおちりは一体どうなってんだってわけだ。ある日突然自分のおしりがホットドックだぞ。誰がこんな未来を予測できるんだってんだ。誰が好んでこんなことするんだってんだ。とにかくいったん落ち着くしかない。
ケツ圧は継続中
もしも、たっぷりケチャップやマスタードの如くなってたらどうしよう。
セーフ!
何も侵食していないことを確認し、いよいよ本命のパンツを下ろす。とは言えまだまだケツ圧を緩めるわけにはいかない。一瞬の気の緩みがアナーに浸透し、くす玉のように僕のおちりがぱっくりと、もうぱっくりと割れ、その割れ目から色んなイケナイモノ達が紙吹雪のようにパンツの中に…
イケナイ!イケナイ!
考えるだけで危険だ。僕はねぶた祭のように眉を吊り上げ、ケツ圧を意識しつつ便器に座った。と同時に今度は解放と叫びながらウィンナーと化したトイレットペーパーを便器の中に投下した。そしてすぐさま確認!
むっ!
それなりのケチャップやマスタードを帯びていた。となれば…そうパンにもなのか…そう僕のおちりにもなのか!ファイティングニモなのか!とにかく水浴びする前にトイレットペーパーで確認してみた。
オーマイガッ!
良く洗って良く拭いたのは言うまでもない。キレイ!キレイ!
こんな風に僕の日常はブログのネタに困らないんです。
そんな未来が見えたんだ…
てことは、こんなんが続いていくのね…
(良くねーし)
ですね。