ですね。note

思った事を書くノート。そんなブログ。

僕は僕の道を行く

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「人生山あり谷ありだよ」


後ろから突然聞こえたと認識した直後、まぁまぁの速度で横をチャリが2台通り過ぎて行った。私服の女子と制服の女子。短めのポニーテールが揺れていた。中学生?


坂道とも言えない緩い登坂だった。この坂もどきが山なのか?何を話していたのか前後が分からないが所詮クソガキ子供だなと思った。でも将来化けるかもしれないのでそっとしといた。光源氏計画進行中←


相変わらず?僕は歩いてスーパーに向かっていた。この日の天気は晴れ。快晴といって良いかもしれない。でも言わないけど。


いつもと違うのは、何故かまだジジイおじいちゃんに遭遇していない。この地域一帯に僕のブログがバレてるのかと思ってしまうほどにジジイおじいちゃんが現れない。そもそも人が少ない。

 

ガッテム!
(どした?)


その代わりなのかおばあちゃんに会う。スキージャンプの滑走中の状態で低速で歩いている『飛べないおばあちゃん』とか、お前大丈夫なんだろうな?と思ってしまうお願いだから前向いて運転しての『前方不注意おばあちゃん』とか。何なんだ今日は。


とりあえずおばあちゃんの持っているちっさい巾着はなに入ってんだろな。遺言とかだったらシブイのにとか思いつつ小道を通る。


本当にジジイおじいちゃんに会わない。ここまで来ると逆に寂しいとさえ思えてくる。ギブミージジイおじいちゃん。いや、いらねーし。


小道の前方から、アホみたいな速度で軽自動車が向かってきた。咄嗟にジジイおじいちゃんかもとはにかんだ。この小道を傍若無人にまあまあの速度で走るなんてどう考えてもクソジジイおじいちゃんしかいない。どんな面してやがるんだとすれ違いまでガン見していた。


窓が開いている?運転席側の窓が開いているっぽい。これで完璧なクソジジイおじいちゃんの顔面を確認できる。ワクワクの僕の横を軽自動車がすれ違った。んだよデブかよ。デブには打ち消し線は使わない。使ってやらない。だってデブだもの。みつを(違います


とにかく先を急いだ。


何なんだろうこの感情は。あれほどまでに煙たがっていたジジイおじいちゃん達を。なのに。会えないと。もう会えないのかな。もしもこのままジジイおじいちゃんを忘れることができたら。なんて思えば思う程に。何だコレ。


僕は本当にそれで心から幸せだと言えるのかな?知らねーし。TAKAの声が脳内にシンクロしだし、いよいよジジイおじいちゃん依存末期状態の禁断症状が発動する時だった。居たんだ。小道を曲がった先に。チャリに乗ったひどくくたびれたジジイ弱々しいおじいちゃんが。


ゆっくりと近づいてくるジジイおじいちゃん。でも何か違和感が。うん?えっ?こんなチャリあんの?

 

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出典:ブリジストンサイクル株式会社


これこれ正にコレ。んできったねーの。前輪2つて。曲がりづらくないんかね。とにかく念願のジジイおじいちゃんに会えたし良しとするか。


スーパーに入る。すると老人ホーム並って感じ。えっ?こんなに居たのこの地域に。やっぱ食料大事だよな。あんな会えなかったジジイおじいちゃんもいっぱい居た。ありがたみゼロ。クソがっ。


お昼時というのもあってお惣菜エリアも大繁盛。そんな中黒いパーカーの小さな女の子が居た。いや、20代かな。マスクで顔の半分以上が隠れてしまっているショートカットの女性。周りが高齢者が多かったので余計目立ったのかもしれないが、何故か気になってしまった。何故だろう。


セルフレジへ。すると先程の黒パーガールが居た。お惣菜を物色していたその子は大きめのカップ焼きそばを1つだけ買うようだ。量的には足りるだろうけど。けど。何で気になるんだろう。何故だろう。


同時ぐらいにレジを終えた。僕は右に、その子は左に。分かれ道。誰かに似てるからなのかな?次会ったら話しかけてみようかな。気持ち悪い計画を立てながらスーパーを出た。


相変わらず外は晴れ。僕は上下黒な感じ。日差しが暑い。蟻の気持ちが少し分かった気がした。嘘だけど。


帰りはジジイおじいちゃんには遭遇しなかった。その変わり多めにおばあちゃんと多く遭遇した。きっとシフト制なのかもしれない。たまたま今までがジジイおじいちゃんDAYだっただけで、今日がたまたまおばあちゃんDAYなだけで。んなわけねーし。家に急いだ。


もう少しのところで行きにすれ違った『飛べないおばあちゃん』が居た。まだここに居たのかよ。飛ぶどころか進んでもいねーよ。全く進んでないような低速なおばあちゃん。近づくにつれ僕は笑顔に変わっていた。変わっていくのが分かった。僕は今笑っていると。


この飛べないおばあちゃんのこの格好の高さに、さっき気になった黒パーガールの身長が近似値なんだと気づいたからだ。どおりで見覚えがあったわけだ。ちなみにこの飛べないおばあちゃんは背中がやけに盛り上がっていた。骨?


人生山あり谷あり。


このおばあちゃんの背中にも山はある。それは人生という長い年月を経て生きた証としての山なんだと思う。今この瞬間にどえらい力でその背中の山をぶん殴ったら胸から飛び出て姿勢がピーンとするんじゃないかという欲望が僕の脳内を支配しだした。ヤバイやりそうだ。自分が怖い。逃げるように僕は家を目指した。


山あり谷あり


人には必ずあるのかな。単純に山は良い事で谷は悪い事。そんな認識だろうか。


でも谷が悪い事とは言い切れないと思う。休む必要があるからだ。その休みの時間に得られることだってある。気づけることだってある。谷を知らないモノは山の凄さを知ることはできない。そう思う。


僕はそう思う。


僕は山も谷も横目にその真ん中にある舗装された道を行く。

 

それが僕の道だなも。
(クソだなも)


ですね。