好きか嫌いかで言うと・・・
こう聞かれたら、僕は嫌いじゃないって答える。答えになってないけど、そんなニュアンス。
信じてもらえるか分からないけど、僕には嫌いな人はいない。嘘じゃなくて本当にそう思ってる。嫌いな人はいないんだって。
嫌な思いもしてきた。辛い思いもしてきた。ムカついたこともある。嫌なほどある。幾度とある。でも、でも、嫌いじゃないんだ。そう思ってる。思い込みたいだけかもしれないけど。
きっとさ、何らかの意味があって出会うんじゃないかって思ってる。思い込んでる。
何か意味があるタイミングだったり、何かの目的のためだったり、変化するための影響だったり、カッコよく言うと成長のためだったりするのかもしれない。
そうやって人って出会うんだと思う。そう思い込んでる。
だから、そうだから、きっと別れもそうなんだと思う。何か意味のあることなんだと思う。成長のための別れなんだと思う。そう思い込みたいんだと思う。
そう・・・
あの日のことも。
年上って響きだけで、僕は恋に落ちていたのかもしれない。
彼女が車で迎えに来てくれる。送ってくれる。高校生なら憧れるでしょ?僕はそうだった。
年齢差はたかが2歳。なのに社会人と高校生という関係。同じ10代なのに重大なことみたいに言われたり。
ただただ、そのステータスに酔っていたのかもしれない。本当に好きだったのかなとか、たまに分からなくなる。まぁ今となればだけど。
合鍵を持っていた。部活が休みになったんで、急いで向かった。驚かせようとした。まさか自分が驚くとも知らずに。
彼女は居なかった。誰もいない部屋。爪でも切ろうそう思って探したんだ。爪切りを。引き出しの中を。そういう運命。
見つけたのは爪切りではなく、1枚の写真だった。僕ではない誰かと一緒の彼女がその四角い紙の中に居た。旅行?どこかの記念写真?ご丁寧に観光地の名所のプリントされた鮮やかな厚紙に挟まっていた。わりとデカいサイズの写真。日付は先々週?そう言えば友達ととか・・・・。
あっさり認めた。コレって見せたら。元カレみたいな言い訳だったような。どっちが浮気なんだとか。色々聞いたくせに覚えていない。驚くほど冷静に答えられたから覚えていたくなかったのかもしれない。開き直った女性って凄い。
「じゃあ終わりね」
最後の言葉。彼女からの言葉。子供扱いされたくなかった僕は、ただ頷いて「じゃあ」って。やせ我慢。変に大人ぶってたな。
この日、いやこの日から女性に対してある思いが生まれた。悔しさからなのか、女性に惚れこむことに恐怖を持つようになった。警戒心が生まれた。ある意味冷静になれたのかもしれないけど。無条件で人を好きになれる時期を失った気がする。つまらない10代になった気がする。
でも、好きか嫌いかで言うと・・・
こう聞かれたら、僕はやっぱり嫌いじゃないって答える。好きとは言わない、そんなニュアンス。
いつか会ったら後悔させてやるって思ってた時期も確かにあったけど。今はそんな気すらない。
だってもう、好きではないからね。嫌いじゃないだけで。
好きか嫌いかで言うと・・・
もし、自分自身のことを聞かれたら・・・
僕はやっぱり嫌いじゃないって答える。
好きとは言わない、そんなニュアンス。
きっと僕は、恐れているんだと思う。好きという言葉を遣うことを。好きという言葉で伝えることを。好きという言葉を発することを。
あの日からずーと。
だから僕は探しているんだ。
好きの遣い方のマニュアルを。好きを遣うことを許してくれる許可証を。もういいよっていう許可証を。
誰かの引き出しの中から・・・
誰かの心の中から・・・
正にかくれんぼしてるんだ。
もういいかい?
つか、隠れるの上手すぎないか?
とか言って遣ってるけどね。言うけどね好きって。
そんな自分が好き←
ですね。
※この記事はモッス隊長(id:suna0hi)率いるゲリラ司令部からの命令により作成されたものです
なんかさ、この企画出たら過去の恋愛書かなきゃみたいな変な感じになるのよね(笑)もう書かないからな←
これもすべてモッス隊長の力?
もういいよね?
ほんとにさ
もういいかい?
ですね。