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場を知って言葉を

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接待というとあまり良いイメージがないが、言い方を変え同様の会が行われているのは確かだ。


のはずだ。


僕は仕事柄、“する”よりも“される”方が多いみたいだ。といっても、“する側”に居ることもある。あるが、する側にいるというだけで、僕がどうのという会は非常に少ない。


だから、基本“される”方がと思ってしまうのかもしれない。実際数えて比べたことはない。


ただ、そういう席には良く呼ばれるのは確かだ。その席が“する側”か“される側”かなど分からず参加している。もっと言えば、接待ということすら認識していないことの方が多い。誰ださすがバカとか言ったのは!


個人的には色々な方々との会合。そんな認識でいる。勝手な話なのだが。ただ、恐らく僕を誘う方々も強く接待というよりも、楽しい食事を的なニュアンスが多い。はずだ。はずだといいな。


だからなのか、支払い時に軽くもめてしまうことがある。今日は僕が。何て言うものなら、信じられないくらいの反応速度で拒否られることがある。いや僕が今回誘いましたよね?とか。いやいやこちらですとか。それで、あぁ~そうなのかと認識したりする。恥ずかしい話なのだが。


基本接待という感覚で挑むことは少ない。だからこそ逆に接待として挑んだ会は気が張っている。うまくいくように。相手に不快な思いをさせないように。当然だがそれが主となるわけだ。


だからこそ、接待されている感覚の場合、相手の心遣いに感謝している。こんなやり方があるのかと感心している。そんなことを思っている。


そんな“されている”感覚でのこと。


食事が終わり、もう少し飲みませんかとの誘いを受け次の店へ向かった。


女性も同行している為か、雰囲気の良いおしゃれなbarへ。初めてですけどねと、不手際があった場合の為への予防線を入れられたが、そんなことは気にもしていなかった。


予約してませんでしたがと、さらなる嬉しいサプライズのように個室に案内された。きっと接待する側としては最高の展開のはずだ。


本当に雰囲気の良い場所だ。突然入ったにしては良好ではないだろうか。“される側”としても当たり前だが悪い気はしない。


人数は5人。“される側”は僕を含め3人。細かい話をすれば、僕以外の2人は他の会社の方。そして“する側”は2人。もちろん他社の人達。少し変わった3社合同接待てな感じ。


“される側”の僕以外の2人のうち1人が女性だ。その人がウィスキーが好きらしい。といってもハイボールらしいのだが。当然、リサーチ済みの“する側”。もちろんその知識もあるわけで、軽く雑談で探りを入れる。


第2ハイボール人気期というべきか、今そんな時期らしい。その中で、白州というお酒が品薄になっているらしい。というのも終売が決定した為で、一気にプレミアがついたわけだ。ちなみに響もで、もっと詳しく言うと白州12年と響17年らしい。らしいというのは僕はそこまでウィスキーは詳しくない。とは言え、飲むけどね☆←


サントリーの中で有名なのは山崎だ。これは僕でも知っている。だが山崎をハイボールでなんて正直もったいないと思うのが通なわけだ。当のサントリーもハイボールなら白州と言っているらしい。


てことで、白州が置いてあるとススメるのは当然なわけだ。そしてススメられた方も知っている為、あるんですか?なんて喜ぶわけだ。全てが良い方向に向かっているという接待の成功例なわけだ。


だったはずなのだ。ここまでは。


上機嫌の状態がキープされてる間にオーダーをする。“する側”としては当然の流れだ。手際よく店員を呼ぶ。店員にオーダーを告げる。


その時だった。その店員からまさかの言葉が発せられたんだ。

 

 

 


「あっ白州高いですよ?」
(うわぁああああ)


言っちゃたよ。それ言っちゃったよ。この店員だけの問題だけど、恐らくと言うか間違いなくもうこの店使わないと思う。いや間違いないだろう。つか、後にそう言われた。


どうも、この店員は色々うんちくを言いたかったのだと思う。それも店員として悪いことではない。知識を教えてもらって飲む。この場合、高価なものだと、希少なものだと、ありがたみが出るわけだ。

 

だが。だがだ。


この店員は気づいていないのが問題なのだ。この空間に居る人達がどういう関係性なのか。


仲の良い飲み仲間や上司が部下を連れてとかなら、この店員の言葉は全然ありだ。理由は上記で述べたように、ありがたみだ。


だが、今は接待という状況だ。全員がスーツで、席へのエスコートの仕方、言葉遣いから気づけたはずだ。社内の飲み会ではないことは理解できたはずだ。


接待で『高い』は良くない。“される側”は当然頼みづらくなる。高いと言われたものを好きに飲めない。頼めない。そうなるのは目に見えているわけだ。楽しみが半減してしまうのだ。まっアホなら気にせず飲むだろうが。


それにだ、逆に“する側”としても、こんな機会だから飲めるわけだ。なんならもっと高い酒も頼んでも良いわけだ。飲みたいわけだ。それが接待だ。その接待という理由で“する側”も良い思いができるわけだ。


それをこの店員はぶち壊したのだ。遠慮というものが、1軒目で打ち消したはずの遠慮というものが、また振り出しなのだ。


明らかに表情が変わったのを僕は見逃さなかった。“する側”の1人だ。エリートと呼べるやり手の営業さんだ。正直営業さんなどと呼んじゃいけない地位の方だ。その方は完全にその店員を睨みつけ即こう言い放った。

 

「じゃ結構です。他の頼みますので。決まったら呼びますので。」


お前早くどこか行けという意味だった。妙に早口なのからも理解できる。場を壊してまでも言ったのには何か策があったからだろう。恐らく、あのままうんちくを言われたら今よりも盛り下がると判断してのことであろう。


再度オーダーを頼む際、違う店員が来たので、白州のハイボールを頼んだ。正直、場はシラケたのは確かだった。


その後、何とか、カクテルなどにシフトしつつ、さすがのトークで場を盛り上げ終了したわけだ。あそこで、流れをぶった切ったのは、結果的に正解だったわけだ。


翌日の謝罪のメールから、相当残念だったのだろうと感じた。個人的に僕は仲良くして頂いてるので、電話したのだが、相当怒っていたわけだ。店員に。


ただ、こういう言い方をしていた。

 

 

「あの店員のせいで、残念ですよね。もう2度と使わないですけどね。あの店員だけなんですけどね。もったいないですよね。アレさえなければ、これから頻繁に使うのに・・・。」


何度ももったいないなと言っていた。いい店だからこそなのだが。でも、正直難しいと思う。良かれと思って言ったわけだその店員も。


今、金額が高騰していることを伝えたわけなのだから。もしかしたら、他の客で支払いの際にもめたのかもしれない。


しかしだ。やはり、その客の関係性は確実に敬語からも接待と気づけたはずだ。気づいた上で、忠告の意味で言ったのかもしれない。だが、接待のプロからしてみれば、あり得ないことだったわけだ。


正直僕はそこまで気にはしていなかった。でも、言われてみればと感心してしまった。ただ、言い方が違えば良かったのにとは思うのだが。


高いという意味を違う言葉で表せたはずだ。それこそ店の自慢にしてしまえば良かったわけだ。


『今中々置いてるとこ少ないですからね』とか『さすがですね。白州お好きなんですか?』なんて聞いてからでも良かったはずだ。金額など今の世の中、気になればネットで調べることは可能だ。逆に後から高価なものをと、余計ありがたみがでるわけだ。それをぶち壊したとなれば、今回の件は、仕方ないのかもしれない。


持って行き方で、この店員の評価は真逆だったかもしれない。


言葉のチョイスは難しいなと、場を知るのは大切だなと、改めて感じた体験だった。僕自身も、今後接待の際には気を付けなければと思った。


とは言え・・・

 

 

 

される側ですけどね
(嫌な感じ~)


ですね。