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思った事を書くノート。そんなブログ。

思いやりの向こう側

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何度かお知らせの様に書いているが、僕は仕事の関係で、関東の片田舎に居る。


片田舎の為、車と単に呼ぶほどに自動車は必要だ。マイカーなんて言わずと知れたことなのだ。


生活していく為にこの車は必要不可欠品だ。買い物をするにも、仕事に行くにも、どこかに行くにも、車有りきの生活なのだ。


電車やバスも一応あるにはある。だが、ピンポイントで行きたい場所に行けるわけもなく、免許の取得ができない事情のある方が利用するというのが、主流となっている。と思う。


となれば、免許を取得していれば必ず運転していると言っても過言ではないわけだ。高齢者であっても。


高齢者こそ必要不可欠なのかもしれない。遠くへ行く為にも、食料を確保する為にも、生きていく為にも。ファイティング・ニモ。やんのかコラ?


だが、危険も隣り合わせだ。昨今、高齢者の運転による事故は増加している?というか目立つようになってきた。


ブレーキとアクセルを間違えて・・・そんな見出しで様々な報道がなされたのは記憶にあるほうだと思う。ただ、それほど珍し事ではない。ないが、目立った。


コンビニに突っ込んだだの、立体駐車場から落下しただの、自爆で済んでるうちはまだマシなのだが、これに人身事故が絡んだというのが目立った要因ではないかと。そう思っている。


あとは、個人的に怖いと感じて覚えているのは、高速道路の逆走だ。正直これは勘弁してくれってヤツだ。とにかく、他人を巻き込むことが増加したから、目立ったのではと感じている。勝手に。


とは言え、そんな社会的な問題に対してあーだこーだと何か言いたいわけではない。


最近こそ減ってはきたのだが給油口開けっ放しというのがある。わりとあるあるな話だ。これは高齢者だけの問題ではないのだが、割と高齢者で、おじいちゃんに多い。俺はできるんだぞ的にセルフで給油するが忘れちゃうという感じなのだろうか。


そんな給油口開けっ放しつまり、閉め忘れに僕は意外と遭遇する。残念なことに。


大概は信号待ちで気づく。気づいて教えるのだが。クラクションを鳴らしても、パッシングしても、別の意味で捉えられてしまい効果がない。気づいててもやべー奴にからまれています状態になってしまうからだ。誰がやべー奴だ失礼しちゃうじゃないの!となるわけだ。


そこで僕のとる方法は1つ。降りて給油口を閉めて、そして運転席まで行って、開いてましたよと。閉めときましたよと。謝礼は1万からねと。そう伝えるわけだ。謝礼のくだりは冗談だが伝えるわけだ。つか、これしかない気がする。ナイキがスルー。いや気にするな。正にスルー。


過去何度かやっているが、全てこれで察してくれる。中には異常なまでに丁寧にお礼を言ってくる人も居る。照れくさいが、嬉しい気持ちもある。


だが、言っても信号待ちだ。信号が変わるまでの時間のため、あっさりと終わるのが通常だ。それに対して不満などはない。そういうものという感覚だ。僕はだ。


そんなある日のことだ。


相も変わらず見つけてしまったわけだ。気づいてしまったわけだ。お決まりの信号待ちで。


その車は軽自動車。給油口が左側にあって、見事にパッカーーン開いてるわけだ。まるで、この大空に翼を広げ~なんて歌っているかのごとく開いているわけだ。閉めたけど閉め方が甘かったかな状態ではなく。完全に完璧に忘れているパッカーーンなわけだ。


僕はいつものように車を降り、まずは給油口をパタンと閉め、運転席に向かったわけだ。


コンコンと窓をノックし、こちらを見た運転手のおじいちゃんに爽やかな笑顔を送り、左手を水平に、掌を地面に向けた形に、つまりアイーン的なポーズで、手を上下に動かし、窓を開けてくれというジャエスチャーと共に、開・け・てと口パクをした。


これは当然だ、給油口が開いていたという事実と、それを閉めたよという状況を伝えなければならないからだ。通常、給油口を閉めた瞬間に音が鳴るため、何事かと不安になるわけだ。そのフォローとして必要不可欠な行動なわけだ。


もしもこのフォローをしなければ、信号待ちで突然後ろの車のやべー奴が降りて来て、自分の車の後ろの横をぶん殴って戻っていったというサイコ野郎伝説になるわけだ。仮に僕がやられてもそう思ってしまうかもしれないわけだ。その為の大事な行動なのだ。


だが、そうだがだ。どうやらこの車の運転手であるおじいちゃんは耳が遠いようで、恐らく給油口を閉めて発生した音には気づいていない。だから、突然現れた僕が開けてというのがイマイチ理解できてない表情だった。


しかしこれは想定内だ。突然の出来事に反応できないのは、年齢に関係なく起きてもおかしくないことだ。僕は冷静だった。軽く深呼吸し、再度少し大きめの声で窓の外から告げることにした。

 


「すいません。開けてもらえますか?」


少し間があったが、何とか通じたようで、頷くおじいちゃん。何か手間取っている感じではあったが、ドアの側面をいじっていたので、間もなく窓が開くと理解した僕は続けて給油口が開いていたことを告げようとしたわけだ。それは必然なわけだ。


するとどうだ。ダン!とかはっ?みたいな。何にがダン!って。ドンじゃくてダンって。ズドンてな速度でじゃなくて、強めでダン!って。いやアレ?アレレって。


何がアレってヒザだ。そう膝。僕の膝だ。何がどうしたのか、車のドアの角が僕の膝にダン!だ。何をトチ狂ったのか窓じゃなくてドアだ。ウィーーーンてな感じでウインドウじゃなくてダンでドアだ。膝にダン!だ。


すいませんでかがむわけ。運転席に視線合わせるからかかがむわけ。かがむって膝でるわけ。くの字なわけ。そこにダン!だ。左からのダン!だ。不意打ちのダン!だ。


正直痛かったわけ。でも今は違うから叫ばないけど、その瞬間は猛烈にダンの後にいじゃぁあああ!!だから。いてぇええ!の最上級のいじゃぁああああ!!だから。正確に言うとなっ!って言ってからのいじゃぁああ!だから。


しかも高速でドア戻したから。ダン!なっいじゃぁあああ!!のままドン!だから。外からドアドン!だから。おじいちゃんふぉっ!だから。出ようとしてドン!ふぉっ!だから。


周りに大勢居ればまだ救いなわけ。恥ずかしいけど同時にちょっとオイシイわけ。エピソードなわけ。でも片田舎だから。誰も居ないわけ。痛いだけ。ハズイだけ。遠くでカラスが鳴いてるわけ。泣きたいのは僕なわけ。泣かせたい相手はこのジジイなわけ。遂にジジイって言っちゃったわけ。限界なわけ。

 

 

 

 

 


信号が青になり、おじいちゃんの軽自動車は遥か彼方へと消えた。そのまま天国まで行っちゃえ。


僕は足を引きづって車へ戻った。幸い後続車もなく、二次災害は免れたわけだ。信号は僕を待たず赤になった。


その日から僕は給油口が開いていても無視することにした。ただ、見て見ぬふりはできない僕は、どうぞ何事もないようにと静かに祈ることにした。嘘だけど。


左からのダン!ダンからのドン!ドンからのふぉっ!

 

 

 

 

 

 


ふぉっじゃねーよ。


ですね。