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転職、僕はしない人

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ここ数年、いや、10年といって良いと思う。転職へのイメージが大きく変わっている。


自分の可能性を確かめる。自分の価値を確かめる。正当な評価を受ける。そんな感じだろうか。


転職しない方がどうなんだ的な風潮まである。とはいえ、結局人それぞれ。流行りという何かにノル必要などないと思う。


僕は転職していない。辞めたいと考えたことはあるが、転職したいとは考えたことはない。有難いことにちょっとした誘いはあったし、未だにあるが、それにノルことはなかったし、これからもそのつもりだ。


ぬるま湯につかりやがってと言われるかもしれない。言いたきゃ言えばいい。なんてそこまで強気ではないけど、言われる筋合いはない。ということは強気でいる。そんな感じ。


TVのニュースで、転職希望者というか、同じとこで一生働く気はないという表現の方が正確だろうが、そう思っている若者は多いと取り上げられていた。


正直、あっそう。そんな感じ。珍しいことではない気がする。僕だって正直言えば、就職前に一生コレでとは強く思ってはいなかった。伝統的な分野の専門職ではない限り、皆そうなのではと思うのだが。


今はそう思っていても、その後どう思うかは分からないでしょってのが、僕の考えだ。現に自分がそうだったからもあるのだが。


僕が転職していない理由は、早い段階で部下ができたことだと思う。もっと言えば、部下と思えるようになったのが早いという方が正確だ。


単に後輩という思いだけなら、転職していたかもしれない。収入も地位も今よりもと・・・。よくある誘いにホイホイのっていたと思う。当時の僕は妙に根拠があるのかないのかの不思議な自信に満ち溢れていたわけだし。まっ恥ずかしい話なのだが。


色々教えるのもめんどいし、思うように覚えないし、できねー奴ばっかだ。そんな事を思っていた。自分の接し方や教え方に問題があるかないかなど考えることなどせずにだ。


一応僕は出世街道ってなヤツにのっていたわけだ。若くして・・・そんな声に益々天狗になっていたわけだ。割に合わない、正当な評価じゃない。そんな事を考えていた。あ~恥ずかしい。


僕は上司に恵まれたのだと思う。部下は上司を選べない。そんな確率の中で恵まれた。そして出会った。


自分がこの世で一番偉いなんて思っていたんじゃないかってくらい、僕は天狗だったような気がする。そんな僕の上司にある方が異動でやってきた。本当に凄い人だった。


当然その人も色々な誘いがきていた。そりゃ欲しいでしょと思うような人だ。でも、頑なに断っていた。僕は不思議だった。


一緒に仕事をするのが楽しかった。いや、正直辛いしキツかった。でも途中から楽しくなった。やりがいが信じられないくらいあった。感じていた。そんなある日だった。


その上司がその筋では知らない人はいない、大手からヘッドハンティングの話をもらった時だ。完全に落とす気だと思える高額提示で誘われたらいしのだが、見事に断ったらしい。後で聞いたわけだが、その断った理由が僕を変えた言葉だった。

 

 

 

『私には部下がいます。その部下達を捨てて行くことはできません。育てたい部下が私には居るんです。申し訳ないですが、無理なんです』


僕は恵まれている。意思を、意志を、継ぐなどとは言わないが、育てるという義務ではないが、思いは持たないとと考えさせられた記憶がある。それから僕に本当の意味で部下ができた。


あとでその上司は、違う職場なら行ってたと、お酒の席だったがもらしていた。嘘でも嬉しかった。


僕は今の会社を良くしよう。そんなことを考えている。だから転職なんかしてられない。するわけがないのだ。


確かにクソみたいな上司は居る。ゴミみたいな上層部の人間は居る。


先が短い彼らは、結局今を優先し、未来と言っても、せいぜい1~2年先しか考えていない。考えて仕事をしていない。いや、考えれない。自分さえ良ければ的な思考なわけだ。本当にクソなのだ。


やる気のある若い奴ほど未来というと10年以上先を見ている。全員じゃないがそういう奴も居る。そんな奴らと、近い未来に、入って良かったと、これやって良かったと、言いたい、言わせたい症候群で今僕は仕事をしている。


口ではなんとでも言えるが、一応、見てはいるんだ。一応。僕の思う未来を。


だから、僕は転職していない。この先もだ。してられないのだ。


部下を捨てては行けない。凄い言葉のような気がする。


育てたいと思われたことも嬉しいが、それはある意味、育てる価値があると思われたことだと思う。それだけ真剣に接してくれていたのだと、今思っても有難い。


僕も同じような思いはある。部下に対して。だから、しつこいようだが、僕は転職しない。していられないんだ。

 

 

 

 


今のところはね
(感じ悪っ)


ですね。