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道での遭遇

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身近な人達の間で話題になっている謎の人が居た。どこの誰だかは分からないというヤツだ。正に奴なのだが。


性別は恐らく男性。見た目からして男性。断言したいとこだが、今のご時世では決めつけれないわけで、はっきりと分からないので断言は避けるけども、僕の見る限り98%の確率で男性のはずだ。


不安要素の2%が何かと聞かれたら、声帯の活動限界ギリギリの声量でうるせぇーと言って回避する。僕ののどをなめるな。お互いの為に目をつぶって欲しい。アーメン


事の始まりは、ある男性社員が、ある道をある時間帯に通った時に、偶然出会った謎の人とすれ違う瞬間に

 

「こんばんは」


と挨拶されたという、一見何てことない素敵な日本のふれ合いハートフルな話からだった。


その話がされるや否や、新手の詐欺集団かのように、俺も俺もと、何ならどうぞどうぞ言いたいだけやん的に手を挙げてアピりながらの目撃談が相次いだのだ。くるりんぱ


とはいえ、本来であればへぇーそうなんだで済む話だ。話しなわけだ。では何故それで済まないのかだ。大したことでもないのだが。


そのすれ違う瞬間に発せられる「こんばんは」の声量がぱねーと。フルボリュームぱねーと。天下のSONYも驚きのサラウンドだと。とにかく、バカみてーにドデカい挨拶砲をぶっぱなしてくるえげつねー奴が居ると。こういうわけなのだ。と聞けば気になるのも若干分かる。


そこで、その詐欺集団のような奴らで調査というか検証したらしい。どういうタイミングで声をかけられるのかと。暇の極みだ。するとだ、100%だと思われてたのだが、言わない場合もあったらしい。


時間帯はほぼ同じ。狙えば間違いなく出会うことができるのだが、言う時と言わない時があるというのだ。その違いに気づけるまでに時間を要したと。まるでノーベル賞でも狙っている大学研究チームのように、その研究の進捗を伝えてくるわけだ。超絶ドヤって言ってくるわけなのだ。暇の極みだ。


結局、その新手の詐欺集団の研究結果によれば、すれ違う少し前に目が合えば挨拶すると。一種の防御的な挨拶ではなかろうかと。そういうことらしい。正味どうでもいい。言っちゃ悪いがどうでもいい。えげつねぇーほどどうでもいい。


のにだ。なのにだ。僕も確認するはめになったのだ。どんだけ暇なんだよ。まるで爪を切って、その爪を数えているんですよって言ってた奴より暇だろ。つか、爪の数って基本指の数じゃねーのかと思ったのだけども、指1本に対して1回で切らないからかと。今気づいた僕のこの感情を惜しげもなく、上品に伝えれたらなと。そう願っております。はいお上品。

 

とにかくだ。行くことになった僕も。


世の中では認知症改善になるのではと、とある大学の研究チームが薬で忘れた記憶を回復できるという研究結果を世界に発信しているのにだ。見知らぬ人が挨拶するかしないかなどを研究テーマにしているクソ集団の一員と化してしまう自分の不甲斐なさに涙がでそうなわけだ。何をしているんだと僕と。


という感情は実際その時はなかったわけだが、しかしながら少なからず近い感情はあったわけで、情けなさが支配しだしたわけで、父さん、最近お腹にガスがたまりやすいです。知らねーよと。そうお思いになられた方々には大変申し訳ない気持ちでおります。はいお上品。


「前の人とある程度間隔をとるのがポイントですよ。」そう真顔でアドバイスしてきた後輩のえげつねー真剣さに、ブタっ鼻鳴らしちゃった僕。もう八戒。超~八戒。はい、猪八戒。おブタさんの妖怪なのでございます。はいお上品。

 

んなことはどうでも良くて


もうすぐそこだなと探る様に歩く僕。


「行ってきて下さいよ~」と簡単に言いやがった後輩の顔が時折浮かんでくる。バカバカしいが何気に気になってしまったので仕方がない。僕個人での臨時調査なわけだ。


前の人と一定の間隔をあけて歩き続けて早速奴が現れた。


「こんばんは」

 

 

「こんばんは」


僕の前を歩く人達へ次々と挨拶砲がぶっ放され始めた。遠く彼方先なのにはっきり声が聞こえてくる。本当だったのかと、そう思いながらも自分の番を楽しみにしてしまう。


さりげなくすれ違う前に目を合わせればいいわけだ。できる。僕ならできる。そう心で唱えながら謎の挨拶野郎を待ちわびる僕は、少し早歩きになっていた。


それはある種仕方ない行動なわけだ。気になっている出来事がもうすぐそこまで来ているのだ。少しでも早くと欲張る気持ちからでるワクワクがもたらす行動なわけだ。オラワクワ(略

 

「こんばんは」


僕の前を歩いていた人のすれ違いが終了した。結構離れて歩いているがえげつねー声量だ。大丈夫だ。バカでもできる。ただ目を合わせればいいんだよ。あっちが見ないとかがない限り間違うわけがない。間違いようがない。


奴はすぐそこまで来ている。近くで見るとぽっちゃりタイプだ。何やらリュックをしょっている。少しこちらの様子をうかがうようなスローペースで近づいてくる。この速度からの大音量をくらえば確かに驚くだろう。ただ、そもそも予期していればなんてことはないはずだ。さあ~来い。聞かせてみやがれお前の渾身のこんばんはを。


ジリジリと近づく奴との間合い。奴は完全に僕をロックオンしている。歩く方向ではなく、僕に体の正面が向いているのだ。そっちがその気なら安心だ。さあこの僕にもくらわせてみろ。渾身のお前の挨拶砲を。えげつねー声量でどんと来いや!

 

今だ!


すかさず奴の目を見た。奴も見ている目が合った。間違いない。

 

さあ来い!

 

 

 

 

「失礼しました!」
(何故許しを請う!!)


どうなったら挨拶砲じゃなくて謝罪砲になるんだよ。えげつねー声量で謝るんじゃねーよ!無駄に通行人に見られんじゃねーかよ!いらねーよ!そんな特別待遇!!


そんな僕の心の中の怒りなど知りもしない奴は、僕の横をそそくさと通り過ぎて行った。


というのが去年こと2018年年末の話。当然年が明けその結果をとなるのだが、案の定みんな忘れている。まっ忙しいというのもあるのだが。


絶対目つきがどうのとか、顔面凶器とか、サイコパスとか言われるに決まっている。本当の事を言うべきか、単にこんばんはを聞いたと嘘をつくべきか、何と伝えれば良いのか現在進行形で悩んでいる。


とある道で起きたこの出来事を僕は未だに処理できずにいる。


どうなることやら・・・

 

未知だけにね。

 

 

 

厳しい寒さが続いていますが僕のせいではありません。


風邪にご注意を


ですね。